二〇二四年 六月 十九日 芒種〔 二十四節気 〕 / 十日夜〔 月 〕

与謝絹紬手文和衿二衣

布 : ‐ 身衣 ‐ 絹紬布[ 与謝野 ] 、 木綿[ 播州 ] /  ‐ 貫頭衣 ‐ 竹麻布[ 遠州 ] 、 古布[ 裂織 / 明治期 ]
手縫糸 : 黒絹糸、絹紬残糸、苧麻糸

被写体 / 身長 160 cm

‐ 貫頭衣 ‐
身丈 約 45 cm
身幅  約 33 cm
紐丈  約 35 cm

‐ 身衣 ‐
前身丈 約 118 cm
後身丈 約 122 cm
身幅  約 60 cm
裾幅  約 118 cm
袖口囲  約 51 cm
裄丈  約 53 cm

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丹後半島の与謝野町で出会った経糸、緯糸共に絹紬糸の布。絹紬糸は、絹紡糸を生産する際にでる副産物を使用して紡績される絹糸。「ノイルシルク」とも呼ばれます。その絹紬糸には個性光る節があり、木綿のように素朴な質感を生む。所々にある黒い斑点は繭の出殻や蚕の口。まるで蚕そのものを織ったような、副産物を再利用した糸への昇華に日本人の精神性さえみえる。となれば、できるだけ裁断屑さえもだせない気になり試行錯誤する。基本を和服に置き、後身頃の裾から前身頃の裾まで一繋ぎ肩縫いはなく、衿ぐりに切り込みを深く入れて衿を付ける。脇下は和袖のように風を取り込みたいので曲線をえがいて裁ち、脇下から人差し指の二節分のところでまた切り込みを深めに入れて大きな襞をつくる。そこにゴムを入れて全体がぼやけないように腰線を際立たせ、側面は布の端ミミが美しいのでそのまま表で縫い合わせる。両側にポケットを外付けで配置して、袖の先端に黒色絹糸で刺し子、衿には、主に使用した絹紬布の緯残糸を感覚的に縫い付けて文様とした。

i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」

冬頃から制作途中であった貫頭衣は、主に経糸に木綿糸、緯糸に竹と亜麻の撚糸で織られた竹麻布。手の触感はひんやりして心地良く、まわりに縁どった黒木綿が竹麻布を主張します。縁取りをそのまま延長して両側の腰紐として意匠し、首まわりにも同じく左肩のみ微変形に裁った箇所に裂き織りの古布を施した。緯糸に黒残布、生成残布をセンス良く配置して、たまに金糸もみえる遊び心にとても惹かれた古布は、星が巡るうえで、時代ごとの瞬間その哀愁や歓喜がただよい生活といういとなみがまっすぐにつたわってくるところが好きでたまらない。その頃に想い馳せられる人の感情も尊く、生きていることが嬉しくなります。身衣をしつらえているときに、作りかけの貫頭衣に目が留まって、相性が良さそうと思ってからは両方を感じながら両方に今の季節の手を入れていった感覚です。二つが溶け合って良いパートナーになりました。

ご縁がありましたら幸いです。

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