二〇二五年 二月 二十八日 雨水〔 二十四節気 〕 / 新月〔 月 〕

二重綿紗黒天小帯紐身衣 ※ 受付終了

布 : 二重綿紗( 木綿 )[ 播州 ] 、 別珍 [ 天龍社 ]
手縫糸 : 漆黒絹糸[ 丹後 ] 、 天蚕紬糸 [ 北但馬 ]

被写体 / 身長 160 cm

‐ 身衣 ‐

身丈 ( 前 ) 約 118 cm
身丈 ( 後 ) 約 122 cm
身幅  約 56 cm
裾幅  約 118 cm
裄丈  約 68 cm
袖元囲  約 28 cm


‐ 小帯紐 ‐

〈 別珍 〉
長さ 約 32 cm
幅  約 3 cm

〈 二重綿紗 〉
長さ 約 63 cm
幅  約 2 cm

¥ + tax

洗うと布表が揺らぐ二重綿紗( ガーゼ )は、細番手の木綿糸を甘めに撚り、目の粗い平織りにした柔らかい布であるが、今回使用している二重綿紗の表地は綾織となっているため綿紗特有の深い「しぼ」のゆらぎはなく、しぼが綾織布の奥でつつまれているやわらかい印象を与えてくれます。カジュアルな綿紗を扱いながら、礼装でも着用できる仕様をイメージして別珍の光沢を首元、袖元に扱い、小幅の品のいい帯紐をあしらいました。

i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」

今まで制作してきた形状を振り返りながらの作業でした。布幅をそのまま扱いおさめることで残布をださないことを全体では意識しながら、残布の形状から着想してきたことも思い返し、前身頃の有機的なカーブはいつも眺めている水辺の縁を想像してその残布をポケットの手の入り口にもってきました。袖は平面で折りたたみ裄丈からの逆算で背骨付近の布の重なり具合を思考して、途中で妻の身体で立体に添わせて留め具の位置を定めた。袖の有機的な丸みは朝鮮衣形の要素から。途中までは和服の余白をもちながら手首でしぼむ袖形が好みです。裾縁は、側面を最後まで縫い上げて後身頃にかけて裾丈が長いようにここはトルソーに着させてそのまま裁断して調整。前身頃の脇下付近、左右に大襞が一つずつ。後身頃の背中心部に大襞が一つ。手縫いはふいに目にする風景に従ってその一手一手を選択していきました。

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二重綿紗黒天小帯紐身衣は、先着順で数着のみオーダーをお受け致します。私の制作手段の中で、今回はできるだけ引き算をして簡素な衣形の中にも上記のような「凝り」が浮かび上がることを意識しました。i a i / 居相 の一点物の衣は、一衣ごとに注力し過ぎてしまうことが常に在ることから、皆さまにかろやかに手に取っていただけることを意識して、敢えて時間をかけ過ぎないことをこころみました。i a i / 居相 の各ディテールの要素を紙に書きだし、段取り八割でそれらを組み合わせて凝縮させました。心に余裕があるこの時に、一衣の完成にかかる日数を減らすことができたのと、受注制作という形式によって価格帯もおさえることができました。この機会に是非、褻着として礼装として、ご自身の暮らしに活かして頂ければ嬉しいです。布がなくなり次第受付は終了させて頂きます。手縫い(ステッチ)の塩梅は一衣ごとに微妙に差異がでることはあらかじめ御承知ください。しかしむしろ、手縫い(ステッチ)を同じにせず、感覚的にしてほしい、丈感を長く、短くしてほしいなどの御要望はお受け致します。

 

ご縁がありましたら幸いです。

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