二〇二三年 二月 二十六日 霞始靆

土俗白紋羽織包結衣

布 : 節木綿[ 遠州 ]、民族古布[ タイ北東部 / モン族 ]
手縫糸 : 古手紡木綿糸[ 会津 ]
染 : 茶ノ木[ 生薬 ・ 茶葉 ]、遠州藍[ 生薬 ・ 藍葉 ]

身長 160 cm [女性]

身丈 約 128 cm
前身幅 (片方) 約 55 cm
身幅 約 58 cm
裾幅 約 98 cm
袖丈 約 68 cm
袖囲 約 41 cm

[包布]
縦 約 266 cm
横 約 33 cm

[紐]
縦 約 130 cm
幅 約 5 cm

¥ 51,000 + tax

モン族の蝋けつ染めは眼にすることが多いですが、まるで絹のようにとろとろになった手績み手織の麻布に得も言われぬ安寧が巡った。タイ北東部からラオス北西部、中国雲南省南部に暮らすモン族の民族布。いつも仕入れさせていただくおばちゃん(店主)はタイから仕入れたと仰っていた。表模様ではなく裏に漂う独特の色味を衣にとり入れようと思って迎えさせていただいたが、時間が経って手にした如月には表模様のほうに惹かれていたので制作に活かした。蝋けつ染めとは、布に蜜蝋で模様書きしてから染めると蝋を置いた部分が白く残ることを利用した防染による染色法の一つ。模様もそれぞれの家族が表現する祈りが込められたものらしい。

i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」

布は先藍染めを中心としている遠州産地から。「先染め」は綛糸の状態で丹念に染色を積み重ねその一本一本の糸の持つ色や風合いを生かしながら縞柄や変わり織りなどで織りに変化を持たせ生地として生まれ変わらせていく技法の一つ。家族形態で行う一貫手作業による染織の体現。機織り工場の直ぐ横に生命の匂いを感じる藍甕が数十個整然と並び、綛糸を浸ませる出番を待っている。今回使用した藍布は経糸に藍染糸、緯糸に打ち込む糸を薄雲鼠や灰青色の藍染糸と、茶ノ木染糸を織り込んでいるのが特徴。微妙な色味の違いで仕立ての時にどの部分を使用するかで印象が変わる。色の違いの詳細は前身頃、前身頃の一部と袖、後身頃の配列。巻布は裁断残布をそのままで仕立てたので緯糸が切り替わってる部分が前身頃と同じになっています。

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写真でお見せしているように私的には三通りの着方でご紹介しています。羽織の中に巻布を交差させて帯で結わえる着方、羽織を包ませて帯で結わえる簡素な着方、羽織の上に巻布を垂らして一緒に結わえる着方。袖の仕様がムササビのような膜を有しているので脇を上下した時の見え方が面白い。後身頃の中心に大きな襞が一つ、民族古布が袖口を折り返して、巻布の淵を折り返して施してあります。

ご縁がありましたら幸いです。

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