二〇二四年 五月 三十日 小満〔 二十四節気 〕 / 寝待月〔 月 〕

手織日宇草染羽織

布 : 手織真綿[ 丹波篠山 ] 、 木綿 [ 古布 / 大正期 ]
手縫糸 : 藍染生糸、葉桜染生糸
染 : 本藍 [ 生薬 ・ 藍葉 ]、紅花[ 生薬 ・ 紅花 ]

被写体 / 身長 160 cm
        175 cm

前身丈 約 85 cm
後身丈 約 55 cm
身幅  約 60 cm
ポケット (縦)約 27 cm
ポケット (横)約 27 cm

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「 日宇利矢真月 」と刻印された草木染手織布に出会ったのは兵庫県、丹波篠山にて。よく手織りの布と出会うと屋号なのかその人を現す紋様や創作名が記されている。この布の色味や質感と合っている名前選びも好印象であった。経糸、緯糸共に真綿を紡がれた均一でない糸すじが織り成された際に見える固有の雰囲気をやわらかく漂わせている。先染めによる染色で、白群色は藍、薄紅色は紅花、そしておそらく背の模様の濃色として真紅色は蘇芳による染色であろうと布商の方は仰っていた。あまりにも布として調和のとれた世界観が美しく、紡ぎ、糸を染め、手工にまで本人の意識がかよった創作物はこんなにも清々しい感動をよぶ。僕の創作物もときをへて見知らぬ手に渡ったときに、これほどの感動を与えられるのかどうかなどと巡らせた。しかし最近めくった本に「どれだけ与えたか、どれだけを得たかよりも、どれだけ込めれたか」という言葉に出会った。どう与えられるんだろうという事は、暮らしを込めた先の話であって、単に今この瞬間に込められた心の度合いによることでしかないのかもしれない。自身が、まず、自ずから生活というものに感動することが大切なんだと心にきざみました。

i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」

できるだけ美しい布を全面に感じとれる衣形を思い浮かべた。となれば簡素な縫い、留めに寄りつつ布を縁どる古布藍木綿であそび心を。襟ぐりからおろしてきた古布藍木綿をへそ付近で膨らませて神社拝殿の五色布の要素をふくませ、留めができるように三角折にした双方の頂点に真鍮釦をあしらう。手縫いで空気をふくませ縫ってあるので三角折を内側にたためば留めのない羽織として着用可。水面で色が混ざるような印象の紋様は糸の始末などが見える裏を表地に配置。糸の浮き立つ表情が涼やかな湖畔を想像させます。経糸、緯糸の組織が違う箇所をポケットに配置。藍染めの糸の分量が少し多いです。肩囲に襞を寄せて角ばった直線裁ちをなめらかにしました。体型問わず纏えるのが羽織という衣形の好みなところです。

ご縁がありましたら幸いです。

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