二〇二五年 三月 二十六日 春分〔 二十四節気 〕 / 有明月〔 月 〕
布 : 格子木綿[ 遠州 ]
手縫糸 : 藍染木綿双糸[ 会津 ] 、 苧麻績糸 [ 福知山 ]
染 : 本藍 [ 生薬 ・ 藍葉 ]、柿渋 [ 生薬 ・ 柿漆 ]、茶ノ木 [ 生薬 ・ 茶葉 ]
被写体 / 身長 175 cm
身丈 約 86 cm
身幅 約 72 cm
裄丈 約 77 cm
紐丈 約 56 cm
袖口 約 35 cm
¥ + tax
格子木綿布は、先藍染めを中心としている遠州染織から。「先染め」は綛糸の状態で丹念に染色を積み重ねその一本一本の糸の持つ色や風合いを生かしながら縦縞に横縞、変わり織りなどで織りに変化を持たせ生地として生まれ変わらせていく技法の一つ。家族形態で行う一貫手作業による染織の体現に魅了された遠州織物を使用。表と裏で、藍染糸の濃度の違いであまりにも美しい格子柄が表現されています。
いわゆる洋服の”シャツ”という衣形を好んで着用してこなかった過去の僕自身、袖口も襟ぐりも、身を固定しないゆとりさのあるものを探していた。そうなると和装の羽織のような感じは好みではあるけれど現世の感覚にはしっくりとこない感じがあったので、それらのあわいで制作を続けている居相なりの衣(シャツ)形。今回は、春に巡る風をとりこめるおおらかさみたいなものを念頭に、和装的な布のとりかたを大元に据えて制作。袖口はおおらかな広さで、襟は谷字( V )形で布包留具で留める。みぞおち下付近で袖までおおつらなりの上部と下部の接ぎ目に羊毛を中に閉じた丸絎紐を左右に。その延長線上に紐通しの布輪を付けて、先に中心で結わえたあと紐通しの布輪に通して垂らしたり、紐通しの布輪に通してから結わえたりすることで、身幅と後身頃の襞をふかく、大きくとっている分違った衣形を楽しんで頂けます。
ご縁がありましたら幸いです。