二〇二四年 八月 十九日 立秋〔 二十四節気 〕
布 : 木綿[ 播州 ] 、 苧麻[ 湖東 ]
手縫糸 : 湖東亜麻残糸、手績苧麻糸
染 : 本藍 [ 生薬 ・ 藍葉 ]、柿渋 [ 生薬 ・ 柿漆 ]、茶ノ木 [ 生薬 ・ 茶葉 ]
被写体 / 身長 160 cm
‐ 上衣 ‐
前身丈 約 60 cm
後身丈 約 51 cm
身幅 約 54 cm
袖囲 約 46 cm
‐ 下衣 ‐
前身丈 約 88 cm
後身丈 約 83 cm
腰囲 約 60 cm ( 最大約 106 cm )
裾幅 約 108 cm
紐丈 約 85 cm
¥ + tax
播州織は兵庫県西脇市にて発展した織物の地場産業。綿で薄手の先染め織物が得意で染色に不可欠である豊富な水資源 ( 加古川・杉原川・野間川 ) に恵まれていたことが播州織物が二百年以上栄える基盤となっている。その木綿を、京都で濃藍に染め上げたものを使用。所々に使用する焦茶色は、滋賀の湖東産地で織られた亜麻素材の原生はヨーロッパの北フランス。経緯ともに紡績亜麻で、今まで出会った亜麻布も様々質感を撫でてきましたが、湖東産地で出会ったこの布は微少に光沢すら感じ心に響いてきた。陽のとどかない所に眠っていた布は約四十年前に織られたものを茶ノ木と柿渋で染め上げている。
以前紹介した多種布金朱草文下衣を制作した日に同じ心のまま下衣の裁断を終え配置まで行い、日を足しねかせておいた裁断布に取り掛かった。しかも今回は上下同じ色調でまとめたい感じが湧き、先ずは下衣をゴム入りのスカートに仕立て湖東麻で太めの紐を両側に付けた。前身頃に裁断残布に襞を寄せて配置、意匠上右側のみポケットを施す。前身頃と後身頃では丈の長さが異なり後身頃のみ湖東麻で縁を縫い仕上げる。その流れで上衣を制作。胸元は凹字形で二ヶ所紐で結わえられる。紐が揺れるさまが涼やかに感じたので、この際もう少し増やそうと脇下も調整できるように紐を足した。普段は働衣のようにひとつらなりのエプロンドレスを仕立てることも多いが、上下分かつことで裾を中に入れたり、出したり結わえたり別個で着用したりと合わせの幅も増えるのでこの提案も増やしたい。
ご縁がありましたら、幸いです。