二〇二五年 三月 二十二日 春分〔 二十四節気 〕 / 下弦〔 月 〕
布 : 絹木綿二種[ 播州 ] 、 縞大麻 [ 古布 / 岩手、北上山地 ]、多重針意匠[ 裏 / 残布 ]
手縫糸 : 象牙練糸[ 丹後 ] 、天蚕糸[ 南但馬 ]
被写体 / 身長 160 cm
‐ 身衣 ‐
身丈 約 127 cm
身幅 約 63 cm
裾幅 約 105 cm
裄丈 約 61 cm
‐ 帯 ‐
(本体)
長さ 約 34 cm
幅 約 4 cm
(紐)
長さ 約 74 cm
幅 約 2 cm
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兵庫県西脇市を中心に北播磨地域( 西脇市、加西市、加東市、多可郡 )が織り成す播州織のおこりは1792年(寛政4年)に農家の副業として普及。木綿を主素材として、糸を先に染めてから織る先染め技法で色柄模様を織る産地の突出した布表現がある。同組織の織りで、色違いの二種を組み合わせての制作。帯に使用している縞模様の大麻布は岩手県南北上山地から産出。生活の延長線上にあった家庭内の機織りを想起した。
経糸に木綿、緯糸に絹を使用した布には微光沢があり、動きのなかで節のような白茶が白鼠がゆれて白波がたってみえる。前身頃から続き首にそって高くなった襟は、背後にむかって沈んでいくような襟形に。襟と、帯からふきこぼれるように浮きでた小花は、同裁断残布を多重針でたたき入れ模様を現す。前身頃中心の上部には、裏で天蚕糸をかがり縫いして表に所々に見えるように意図的にほどこす。前身頃は左右で、左は腰付近に、右は太もも付近にそれぞれ襞をちぐはぐで縫いおさめて見る角度によって与える印象の違いをあそんだ。後身頃で布包み留め具が二点、左右腰付近にも襞をとって、布幅を最大限活かしきった。袖は、和袖のような広がりのまま立体裁断で微調整。春にお出掛けしたくなるようなかろやかで気品も含んだ一点物となりました。
ご縁がありましたら幸いです。