なきうみ
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隠す | i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」
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i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」

なきうみ

タイトル | i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」

二〇二三年 一月 二十一日 

冬に籠ってからは家やアトリエのことよりも

 

それをとりまく環境の整備にいそしんでいる。

 

元々、土地に惚れ惚れして住みたいと願った。

 

だからとても楽しくて健全な労働。

 

今日は新たに生活導線をこころみている場所の

 

木の伐採や、倒木の整理が心地よい疲労となった。

 

なんてええとこなんや!と何度も

 

口にしていることがさらに自分を喜ばせていた。

 

 

 

 

「なきうみ」のいたるところに点在する石積みや、原始の母岩をおもわせる巨石が地衣につつまれ、郷土人の手工による水景や池畔の移築民家が溶岩台地の山裾に見えた時の、たまたまそれに出会ってしまった瞬間の魂の名づけようもない安らいと興奮は三十年という浅くもそこそこの人生のなかでもめったにしらない感情だった。ここで暮らしたいと思う時ってこうもわかりやすい。けれどそれがまさか地元だとは思わなかった。中学生の僕はこのあたりをいつもの習慣でランニングしていたし、夜久野という郷土に関心も持たずに育ったし、地元に特別な愛もなかった。そのはずなのに、すでにこの世を去った住人が愛でていたであろう手跡や手工した様々が横たわるなきうみの存在と隣合わさってからはすべてが眼新しいものばかりなような気がして、このことが何かしら美しい神秘な感じを僕の心に与えている。縁あって隣り合わせてしまった以上、この小宇宙に花をちりばめるように心を与え与えられていたいならば、そこの住人となって草花を愛で、小さい食卓を愛でいつくしむ心で住みなしていくために、古民家ならぬ古土地に見合った新築を選択した。ここに人が集い、人が風や光や水流となって地響き、この富まされたどこまでもおだやかな響きが世界へ浸透すればいい。そして衣という霊妙な皮膚をまとう歓び、ファッションという心の薬用、生活の神秘体験を愛してやまない土地で多くの人々を招き入れたい。二〇二三年はその初歩。まちにまった時だ。