二〇二四年 十一月 二十六日 小雪〔 二十四節気 〕 / 有明月〔 月 〕
布 : 厚木綿[ 播州 ] 、 裏地/多重針意匠/絹亜麻 [ 湖東 ]、苧麻[ 湖東 ]
手縫糸 : 具墨色絹紡糸[ 丹後 ]、苧麻繊維[ 福知山 ]
被写体 / 身長 160 cm
前身丈 約 71 cm
後身丈 約 65 cm
身幅(脇下)約 66 cm
裾幅 約 145 cm
裄丈 約 73 cm
袖口囲 約 34 cm
紐丈 約 51 cm
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兵庫県西脇市を中心に北播磨地域( 西脇市、加西市、加東市、多可郡 )が織り成す播州織のおこりは1792年(寛政4年)に農家の副業として普及。木綿を主素材として、糸を先に染めてから織る先染め技法で色柄模様を織る産地の突出した布表現がある。厚手の刺し子織は目が詰まっているので少し固い印象がありましたが、厚木綿なのにしなやかで手触りが良かったので僅か2,5m残っていた着分をいただく。経糸に具墨色の太木綿に、緯糸が鳥の子色と具墨色二種の糸を撚った木綿で構成され、表地の経糸太刺し子から鳥の子色が所々で奥に霞んでみえるので重さが和らぎ柔らかい印象。裏地も美しく鳥の子色と具墨色が規則的にまざり合い機械織の良い部分を感じます。
先ず袖幅をきめて半分に折り裁断、前身頃の外形を2,5mの布余りから逆算し身頃の長さを決めて残布をださないような布幅で調整する。胸から首元にかけて、先に裁断していた袖布をくりぬき前身頃と合わせる。切り替えの下部は布二枚を合わせ小襞を寄せる。厚めの布だから襞のおさまりを考えて苧麻布を手縫いで包む。袖の長さが足りない部分に身頃の裁断余り布を使用して、琵琶湖の東方地域、愛荘町周辺の湖東産地で織られた経糸/亜麻、緯糸/絹の玉虫の光を放つ絹亜麻布を多重針意匠で暈し叩く。霜月の午後に見た白雲が想い起され、日々の心象が無意識に現れることの歓びを感じています。紐は太めに制作して前身頃の襟を折って結わえたり、寒い時は深めに重ねたりして日々の御供に。
ご縁がありましたら幸いです。