二〇二四年 八月 五日 大暑〔 二十四節気 〕 / 新月〔 月 〕

多種布金朱草文下衣

布 : 木綿[ 播州 ] 、絹麻[ 経糸 / 亜麻 、緯糸 / 絹 :湖東 ]、 古布 [ 金刺繍 / 昭和 ]
手縫糸 : 古布金刺繍朱色残糸、金糸
染 : 鬱金 [ 生薬 ・ 鬱金 ]

被写体 / 身長 160 cm

身丈 ( 最長 ) 約 90 cm
身丈 ( 最短 ) 約 80 cm
腰幅  約 95 cm
裾幅  約 210 cm

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うだるような日、どこか気分を変えようと娘たちに頃合いをみてスカートを仕立てた。注文をうけてから日が過ぎていて、そのとき着たかったという感覚がわかるから尚更ごめんよという気持ちで持っていくとかろやかに受けとめてくれて、すぐにその場で履いて見せてくれた。そういう仕草がいちいち嬉しくなって少しのあいだじっと眺めていると、制作残布を接いでぱぱっと手を動かした素直さもよかったのか遊びがきいていて段々と良いなと思えてきた。夏という季節は、手の動きにも軽さがほしくなるから娘たちに仕立てた感覚のまま制作場へもどりその軽快さを意識してみた。

i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」

鬱金染の播州木綿がすぐに目に付いて、それを主体に制作残布でとっておいた山吹色の播州木綿と着物帯の古布で刺繍がしてある部分を切り取り、感覚的に配置する。縦線で縫い合わせて余った布はそのままの長さを用いたので裾は段差がついて見る角度によって印象が違う。鬱金染の播州木綿と絹麻布の間にポケットが一つあって、布の重なりを広くとることで一ヶ所縫い合わせがないから、身体の動きで布が揺れるので見た目にも通気性が感じ取れて夏らしい。季節の、その日を仕立てるならではの創作物は、命のしみこみかたがいい。まるごと今、という感じです。むずかしい着方もなくゴム入りの簡素なスカートです。

 

ご縁がありましたら幸いです。

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