二〇二四年 六月 二十一日 夏至〔 二十四節気 〕 / 小望月〔 月 〕

湖麻通草日々二衣

布 : 絹麻 (経糸 / 亜麻 、緯糸 / 亜麻、絹紡糸 )[ 湖東 ] 、 木綿 [ 遠州 ]
手縫糸 : 黒絹紡糸、苧麻撚糸

被写体 / 身長 175 cm

‐ 上衣 ‐

身丈 約 74 cm
身幅  約 70 cm
裄丈  約 72 cm
袖口囲  約 36 cm

‐ 下衣 ‐

腰囲 約 105 cm
股上  約 33 cm
股下  約 65 cm

¥ 88,000 + tax

山羊小屋付近に生える山紅葉の枝葉が水無月の雨で垂れさがっていて、その山紅葉を支柱に通草(アケビ)の蔓が山紅葉の葉からところどころから頭をのばしていた。風が吹くたびに揺れる通草の蔓の先端が、風鈴みたいで涼しげでもあるし、垂れているのが美しかった。湖東産地の麻布は、独特な空気感で麻繊維がもつ魅力がその手触りに現れている。30~40年前の布は褪せることなくその場所に在り続け僕の目にとまった。麻の雰囲気は、これから迎える梅雨時期こそと想い手を動かす。

i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」

以前制作した湖麻通草丸絎紐身衣の感触が内側にひびいている間に、もう少し自分で深めていきたいという思いが湧き、僕自身が着るならという視点で制作に入りました。セットアップでの提案は、以前からしたかったことの一つ。上衣を下衣に入れ込んで着ることが好きなので腰線に遠州木綿を切り替え強調し、下衣の前身頃には襞を内向きに四つ入れ、両側面に外付けのポケットと後身頃に両側ポケットと収納と立体感が多め。裾にかけては閉じることなく広めの裾幅を維持して縫い合わせました。上衣は貫頭衣を基準に裁断。両脇下に裁断残布で縁どり、手縫いで縫い合わせ縫い目を浮き立てる。上衣、下衣ともに両袖口、両裾に感覚的な刺し子。苧麻撚糸も合わせて垂れさがる通草の西陽に照らされた頃も縫い込めた。

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一から生みだす手織り布ではなく、つまりは0から生みだすオリジナルではなく、3040年前の布がもうこの世に在ったから眼にふれ、それが美意識を揺らして手にとり、在る布に生活を付加することから生まれる美しさがある。内在がろ過された暮らしから、はじめて生まれてくる手織り、染色、さまざまな表現方法の過程もまごうことない僕の一部ですが、世にうまれて在るのに、目を向けられなくなった物や、誰かにとっては必要とされなくなった物にも、何か僕が突き動かされる要素があるのなら自ずの感性を向けていたい。リメイク思想は、創作したオリジナルと同じ、若しくはそれを越えてくる表現に成り得ると感じています。布と出会うとき、その時の心はまるで童心に立ち返ったかのように凝視し、没頭し、探究しているのが主観的にもわかります。このわくわくがあるから、在るものへの想いも一層高まっているのでしょう。

 

ご縁がありましたら幸いです。

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