二〇二五年 三月 二十七日 春分〔 二十四節気 〕 / 有明月〔 月 〕
布 : 絹木綿[ 播州 ] 、多重針意匠[ 裏地 / 木綿 ]
手縫糸 : 桔梗鼠色絹糸 、天蚕糸[ 南但馬 ]
染 : 梅[ 生薬 ・ 鳥梅 ]
被写体 / 身長 160 cm
身丈(前)約 124 cm
身丈(後)約 127 cm
身幅 約 60 cm
裾幅 約 105 cm
裄丈 約 73 cm
¥ 61,000 + tax
兵庫県西脇市を中心に北播磨地域( 西脇市、加西市、加東市、多可郡 )が織り成す播州織のおこりは1792年(寛政4年)に農家の副業として普及。木綿を主素材として、糸を先に染めてから織る先染め技法で色柄模様を織る産地の突出した布表現がある。袖口、前垂の縁にかけて裏から庭の梅皮で淡く染めた木綿を多重針意匠で刺し、早春を浮かび上がらせた。
経糸に木綿、緯糸に絹を使用した布には微光沢があり、動きのなかで節のような白茶が、白鼠がゆれて白波がたってみいるように見える。袖口、前垂の縁からふきこぼれるように浮きでた小花は、裏から庭の梅皮で淡く染めた木綿を多重針意匠で刺し、早春を浮かび上がらせた。前身頃中心の上部、肩落ち付近には天蚕糸を二周または三周縫い、所々に見えるよう意図的にほどこす。下部は和装のように布で身体を包むようにして重なりを大きくしておさめ、右側にのみポケットを配置。袖口の二ヶ所と、背の二点に布包留め具を。
ご縁がありましたら幸いです。