二〇二四年 十二月 二日 小雪 〔 二十四節気 〕 / 新月〔 月 〕

霜降文木綿左前重紐羽織 [ sold ]

布 : 起毛木綿[ 播州 ]
手縫糸 : 肌色絹糸[ 丹後 ]、苧麻績糸[ 福知山 ]

被写体 / 身長 175 cm

身丈 ( 前 ) 約 88 cm
身丈 ( 後 ) 約 80 cm
身幅  約 70 cm
裄丈  約 85 cm

紐丈 約 43 cm
袖口囲  約 34 cm
ポケット ( 横 ) 約 20 cm
     ( 縦 ) 約 25 cm

¥ + tax

兵庫県西脇市を中心に北播磨地域( 西脇市、加西市、加東市、多可郡 )が織り成す播州織のおこりは1792年(寛政4年)に農家の副業として普及。木綿を主素材として、糸を先に染めてから織る先染め技法で色柄模様を織る産地の突出した布表現がある。僅か5mのみ残っていた播州織布は、羽織と下衣とで使いきる。同州の起毛機で織物の片生地表面に毛羽をかきだし、織物に柔らかい手触りと起毛風合いの保温性を付与した布で、霜降り模様はまさに土に霜がおりたように斑点がちらばった起毛した木綿布。経糸に白茶色の木綿に、緯糸が白茶色と黒橡色二種の糸を撚った木綿で構成され、片面だけ起毛しているため厚っこくなく軽やかでしなやかな手触り。以前、霜月ノ衣でご紹介した霜降文木綿日暈藍帯身衣の素材と織り組織は同じで、糸の太さによって起毛模様に差異があり今回仕立てた衣の方が霜降模様が大きい。

i a i / 居相 - Earth clothes - Based in mountain village / Japan.「 一日一衣 」

限られた布分量であるからこそ布のとり方は重要であるが、その頭に寄りかかりすぎては有機的な裁断を思い切ってできなくもなるので一鋏ごとに感じ込んでは次の一手へ心を添える。前身頃を合わせて着るイメージから入り、襟幅にゆとりをもたせることで折っても十分に襟感はたもたれ、開けて軽やかに羽織れるようにも。左前身頃が寸足らずだったので継ぎ目を活かしてその延長に紐を取り付ける。紐は四ヵ所施され、結わえれば着物や作務衣のように身体を覆う。両脇付近のポケットの下部は縁飾り( フリンジ )の経糸を残し、袖はなだらかに脇下を湾曲させてすっと直線で袖口まで。袖口付近の切り替えから多重針意匠として刺して小さな糸の起伏を。

 

ご縁がありましたら幸いです。

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2024年 11月 に催された個展では会期中全作品に平等に皆さまに袖を通して頂けるように応募性であったため、kankakariの公平な抽選結果によってはわざわざ足をお運び頂いたにもかかわらず今回は衣とご縁がなかった方々も沢山お見受けされました。応募数は多ければ一着に10人以上、総数300点以上と非常に沢山の方からのご応募を頂き身に沁みる想いです。そういった日本各地からお越し頂いた方々が少しでも i a i /居相 の衣と接点をもって頂けるように年内は一日一衣に尽力致します。また、触れたくても日々の都合が合わずお諦めなさった方々、今展に想いを寄せて下さった方々も含め、いつでも、どこにいても見て楽しんで頂けることが web表現の魅力です。日々の合間の息抜きに、是非とも一日一衣を眺めていただけたら嬉しいです。

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