二〇二四年 十一月 二十二日 小雪〔 二十四節気 〕 / 下弦〔 月 〕
布 : 木綿[ 播州 ]
手縫糸 : 瑠璃色絹生糸[ 丹後 ]、苧麻績糸[ 福知山 ]
染 : 由良川藍 [ 生薬 ・ 藍葉 ]
被写体 / 身長 160 cm
‐ 身衣 ‐
前身丈 約 130 cm
後身丈 約 120 cm
身幅 (脇下) 約 65 cm
裾幅 約 133 cm
肩幅 約 38 cm
裄丈 約 66 cm
袖丈 約 51 cm
袖口囲 約 28 cm
‐ 帯 ‐
縦 約 10 cm
横 約 104 cm
紐丈 約 68 cm
¥ + tax
2024年 11月 に催された個展では会期中全作品に平等に皆さまに袖を通して頂けるように応募性であったため、kankakariの公平な抽選結果によってはわざわざ足をお運び頂いたにもかかわらず今回は衣とご縁がなかった方々も沢山お見受けされました。応募数は多ければ一着に10人以上、総数300点以上と非常に沢山の方からのご応募を頂き身に沁みる想いです。そういった日本各地からお越し頂いた方々が少しでも i a i /居相 の衣と接点をもって頂けるように年内は一日一衣に尽力致します。web表現は、いつでも、どこにいても見て楽しんで頂けることが魅力的です。生活の合間の息抜きに、是非とも一日一衣をご活用下さいませ。
兵庫県西脇市を中心に北播磨地域( 西脇市、加西市、加東市、多可郡 )が織り成す播州織のおこりは1792年(寛政4年)に農家の副業として普及。木綿を主素材として、糸を先に染めてから織る先染め技法で色柄模様を織る産地の突出した布表現がある。僅か4mの着分のみ残っていた播州織布は、同州の起毛機で織物の片生地表面に毛羽をかきだし、織物に柔らかい手触りと起毛風合いの保温性を付与した布で、霜降り模様はまさに土に霜がおりたように斑点がちらばった起毛した木綿布。経糸に白茶色の木綿に、緯糸が白茶色と黒橡色二種の糸を撚った木綿で構成され、片面だけ起毛しているため厚っこくなく軽やかでしなやかな手触り。
布幅が約140㎝と広かったので幅分使い切りたく、前身頃の脇下5㎝に深く切り込みいつもより上部で大襞を寄せる。可愛いらしい印象よりかはすっきりした衣形を帯びたものをイメージしたので前に布の起伏は控え、身丈を長めにとる。後身頃は切り替え部分を変えようと制作の流れの直感で下部の両側に小襞を寄せる。前後身頃で丈の長さがちぐはぐとした愉快さ。首元は谷字形でその先端に瑠璃色の絹糸を手縫いで装飾。その延長で青みを散らかせたくなり袖の切り替え部分に同じく播州織の微起毛布を私達の畑で育てた由良川藍で染めた布に霜降柄の残布を多重針意匠で白茶を暈し配置。同じく次は藍色の残布を霜降柄の帯の内側にひそませ多重針意匠で藍を暈した帯を制作。紐は中心から二本、先染め藍で地入れした細編紐を垂らし先端は福知山で採取した苧麻績糸で端処理。帯と身衣の合わせです。
一点物の衣、どうぞご縁がありましたら幸いです。